【業界のタブー】耐震等級3でも安心できない。住宅のプロが「ピン工法」にこだわる本当の理由

私は住宅業界で25年以上、仕事をしてきました。構造のことも、工法の違いも、業界の裏側も、一通りは知っています。

それでも自宅づくりでは、たった一つだけ、今も後悔していることがあります。

それが「工法」です。

本当は、柱や梁を金物で固定するピン工法(金物工法)を選びたかったのですが。

ようやく見つけた理想の土地には「建築条件」が付いていて、指定された会社は昔ながらの在来仕口(在来工法)しか対応していなかったのです。

土地を諦めるか。
工法を諦めるか。

私は、土地を選びました。
そして、工法を妥協しました。

完成した家は、見た目に問題はありません。耐震等級も「3」を取っています。

それでも今でも、ふとした瞬間に頭をよぎります。

「本当に、これで良かったのか?」

だから私は、この記事を書くことにしました。

家づくりを検討している人には、デザインや間取りよりも、先に見るべきものがあることを知ってほしいです。

「耐震等級3だから安心」その言葉を、うのみにする前に。

ここから先は、なぜプロである私がそこまで「ピン工法」にこだわるのかを、私自身の後悔と、現場で見てきた真実をもとに、すべて話します。

この記事を書いている人

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目次

耐震等級3でも、なぜ安心できないのか?

「耐震等級3なら安心ですよ」

家づくりを考え始めると、必ずと言っていいほど聞く言葉です。

実際、耐震等級3は、現行の建築基準法で定められた中で最高ランク。消防署や警察署など、防災拠点と同じ基準で設計されています。

そう説明されると、多くの人は「じゃあ大丈夫だ」と思うでしょう。

しかし、ここに大きな誤解があります。

耐震等級3は“最低限クリアすべきテスト”にすぎないのです。

なぜなら、耐震等級は「結果の数字」であって、その数字をどうやって達成したか(=中身)までは問われないからです。

同じ耐震等級3でも、

  • 柱や梁をどれだけ削っているのか
  • 接合部をどうやって固定しているのか
  • どんな木材を、どのルールで使っているのか

ここには、会社ごとに大きな差があります。

特に見落とされがちなのが、柱と梁をつなぐ“仕口(しぐち)”の違いです。

ここは家の骨組みの中でも、最も力が集中する場所にもかかわらず、仕様書では小さな文字でしか書かれないことが多く、営業マンも積極的には説明しません。

私はプロとして、その現実を知っていました。

それでも、自宅づくりでは、その「中身」に最後までこだわり切れなかった後悔があります。

だからこそ、断言できます。

耐震等級3かどうかを確認するだけでは、安心は買えない。

本当に見るべきなのは、「その耐震等級3を、どんな工法で実現しているのか」なのです。

廣岡 旬

住宅業界で25年以上やってきましたが、
「耐震等級3だから安心」という説明は
現場の実態とかけ離れています。
等級は“合格ライン”であって、
家の強さそのものを保証するものではありません。

住宅のプロが、自宅づくりで唯一「妥協して後悔していること」

正直に言います。私は、自宅づくりで「失敗した」と思っている部分が一つだけあります。

それは、工法を妥協したことです。

間取りでもありません。
デザインでもありません。
予算配分でもありません。

構造、つまり“家の骨組みの作り方”です。

私はプロとして、どの工法が構造的に有利で、どこにリスクが潜みやすいのかを知っていました。

本音を言えば、柱や梁を金物で固定するピン工法(金物工法)一択でした。

ところが、現実はそう単純ではありませんでした。

希望エリアで、ようやく条件の合う土地が出た。立地も価格も申し分ない。ただ一つ、「建築条件付き」だったのです。

つまり、「この土地を買うなら、この会社で建ててください」というルール。

指定された会社は、昔ながらの在来仕口(在来工法)しか対応していませんでした。

私は悩みました。

この土地を逃せば、次はいつ出るか分からない。家は「待てる」けれど、土地は「待ってくれない」。

結果、私は土地を選びました。そして、工法を諦めました。

ただ、今でもふとした瞬間に頭をよぎります。

「あの時、土地を諦めてでも工法を選ぶべきだったんじゃないか」

だからこそ、この記事を書いています。

家づくりを考えている人には、私と同じ選択を、同じ後悔をしてほしくありません。

工法は、最後に決めるものではありません。

本当は、一番最初に向き合うべきものでした。

廣岡 旬

家づくりで一度だけやり直せないものがあります。
それが「工法」です。
土地も、間取りも、設備も、
将来なんとかできます。
でも構造だけは、一生そのままです。

在来仕口とピン工法は、同じ木造でも“別物”

在来仕口も、ピン工法も、どちらも「木造住宅」です。

法律上も、どちらが良くてどちらがダメ、という話ではありません。

ただし、構造の考え方が、まったく違います。

私はこの違いを、いつもこう例えています。在来仕口は、「木彫りの彫刻」。ピン工法は、「高品質なプラモデル」であると。

在来仕口(在来工法)という考え方

引用元:カネシン株式会社

在来仕口は、柱と梁を直接つなぐために、接合部分の木材を大きく削り取り、凹凸を作って組み合わせます。

これは、日本の木造建築を長年支えてきた伝統的な技術で、腕のいい大工が施工すれば、今でも十分に強い家は建ちます。

ただし、弱点もはっきりしています。

それが、断面欠損(だんめんけっそん)です。

本来、柱や梁は「太いほど強い」。

ところが在来仕口では、一番力が集中する接合部分で、木を削らなければなりません。

普段の生活では問題なくても、強い衝撃が加わったとき、一番折れやすいのは、細くなっている部分ですよね。

木造住宅でも、まったく同じことが起きます。

ピン工法(金物工法)という考え方

引用元:カネシン株式会社

一方、ピン工法は発想が逆です。

柱や梁の重要な部分は、極力削らない。

その代わりに、金属製のプレートやパイプ、そして専用のピン(ドリフトピン)を使って、外からガッチリ固定します。

つまり、木を弱くしてつなぐのではなく、木を強いままつなぐ工法です。

この考え方は、手作業で削って合わせる在来仕口とは真逆です。

工場で精密に加工された部材を、現場では「決められた通りに組み立てる」。まさに、高品質なプラモデルのような構造です。

なぜ、同じ「耐震等級3」でも差が出るのか

在来仕口でも、ピン工法でも、耐震等級3は取れます

しかし、在来仕口は、削って弱くなった分を、筋交いや耐力壁を増やして“全体の計算”でカバーします。

ピン工法は、そもそも接合部を弱くしない前提で、構造そのものの安定性を高めます。

どちらも計算上は合格。でも、力が集中する“つなぎ目”の安心感は同じではありません。

ピン工法は金物代が高く、在来仕口に比べて部材コストが倍以上になることもあります。

だからこそ、コストを抑えたい会社は、在来仕口を選びがちです。実際、業界全体で見ても、ピン工法の採用率は約3割にとどまっています。

裏を返せば、ピン工法を標準採用している会社は、見えない構造部分にお金をかける覚悟があるということでもあります。

廣岡 旬

在来仕口が悪いわけではありません。
ただ、同じ耐震等級3なら、
私は「削らない構造」を選びます。

なぜピン工法が強いのか:断面欠損の恐怖と、金物の安心感

在来仕口とピン工法の違いを理解するうえで、どうしても避けて通れないキーワードがあります。

それが、断面欠損(だんめんけっそん)です。

少し難しそうな言葉ですが、考え方はとてもシンプル。「本来太くあるべき部材が、削られて細くなっている状態」を指します。

実際に、一般的な「在来工法」と、金物を使った「ピン工法」で、どれくらい柱が削られているかを比較したのが上の図です。

ご覧の通り、その差は歴然です。 昔ながらの在来工法(左)では、柱と梁を組むために木材の約73%も削り取ってしまっています。これでは、柱の本来の太さがほとんど残っていません。

一方で、専用の金物を使うピン工法(右)の欠損率はわずか21%。 木材をほとんど削らずに済むため、木が本来持っている強さを損なうことなく、地震の揺れにも耐えることができるのです。

一番力がかかる場所ほど、削られているという現実

木造住宅で、地震の力が一番集中するのはどこか。それは、柱と梁をつないでいる“接合部”です。

地震が起きると、家は上下左右に揺さぶられ、この接合部に、引っ張る力・押す力・ねじる力が同時に加わります。

ところが在来仕口では、その最重要ポイントで、木を削って形を作ります。

普段は問題なく動く。でも、大きな衝撃が来たとき、一番最初に悲鳴を上げるのは、細くなっている部分です。

これが、断面欠損の怖さです。

在来仕口は「全体の計算」でカバーする工法

誤解しないでほしいのですが、在来仕口=危険、という話ではありません。

在来仕口の家も、筋交いや耐力壁を増やし、構造計算上は、耐震等級3をしっかりクリアします。

ただし、それは「弱くなった接合部を、家全体でフォローしている」状態です。

言い換えれば、ピンポイントの弱さを、数の力でカバーしている構造とも言えます。

ピン工法は「弱くしない」という発想

ピン工法は、ここで発想が根本から違います。

柱や梁の重要な部分は、ほとんど削らない。代わりに、金属製のプレートやパイプを仕込み、専用のピンで固定します。

つまり、一番力がかかる場所を、最初から弱くしないという考え方です。

木は、太いまま。その状態で、金物が力を受け止め、分散させます。ここでよくある誤解があります。

「金物って、木より硬いからいいんでしょ?」

半分正解で、半分違います。本質は、金物が硬いことではなく、金物が“木を削らずに力を伝える役割”をしていることなのです。

同じ耐震等級でも「粘り」が違う

地震に強い構造とは単に「壊れない」構造ではありません。重要なのは、粘りです。

一気に折れるのではなく、力を受け流しながら、ギリギリまで耐える。

ピン工法は、木材と金物がセットで力を受け止めるため、この「粘り」を確保しやすい構造になります。

数字の上では、同じ耐震等級3。でも、実際に揺さぶられたときの安心感は、接合部の作り方で、大きく変わるのです。

これが、「耐震等級3でも安心できない」と私が言い切る理由です。

廣岡 旬

家は、一番弱い場所から壊れます。
それが接合部なら、なおさらです。

現場の真実①「腕の良い大工に頼みたい」は幻想

家づくりの相談を受けていると、ほぼ必ず出てくる言葉があります。

「腕のいい大工さんに建ててもらえれば安心ですよね?」

気持ちは、よく分かります。誰だって、下手な人より、上手な人にお願いしたい。

ただ、ここで一度、冷静になってほしいのです。

腕のいい大工に家づくりの安全性を委ねること自体が、すでに大きなリスクになっているという現実があります。

在来仕口は「人の腕」に依存する工法

在来仕口の家を、きれいに、正確に建てるには、熟練した大工の経験と勘が欠かせません。まさに職人技です。

しかし裏を返せば、施工品質が人によって変わる工法でもあります。

現実問題として、腕のいい大工は年々減っています。

こうした状況の中で、「今回はたまたまいい大工が担当してくれるはず」という期待に、数千万円の買い物を委ねるのは、あまりに不確実です。

ピン工法は「誰が建てても100点に近づく」

ピン工法は、この問題を正面から解決しに行った工法です。

工場で、柱・梁・金物すべてが精密に加工され、現場では決められた通りに組み立てるだけです。

例えるなら、フリーハンドで絵を描く在来仕口に対して、ピン工法は、型紙とガイド線が用意された状態です。

極端な話、熟練大工でなくても、自然と垂直・水平(タチ)が出る。

ここで、こんな不安を感じる人もいるかもしれません。

「え、新人が建てても大丈夫なの?」

答えは、そのほうが安全な場合もある、です。

なぜなら、ピン工法は個人の技量に頼らず、仕組みとして品質を担保する工法だからです。

「人」ではなく「工法」で安心を買う時代

昔は、いい家=いい大工が建てた家という時代でした。でも今は違います。

職人の数は減り、現場は常に人手不足。属人的な品質管理には限界があります。

だからこそ、誰が建てても一定以上の品質が出る仕組みが重要になる。

ピン工法は、その現実に対する非常に合理的な答えです。いい大工さんに当たるかどうかに運を託すのではなく、最初からブレにくい工法を選ぶ。

これが、現代の家づくりにおける、最も現実的なリスクヘッジだと、私は考えています。

廣岡 旬

私は、「いい大工さんに当たるかどうか」より
「当たらなくても大丈夫な工法か」を見ます。

現場の真実② ピン工法は「雨」にも勝てる

家づくりで軽視されがちな「上棟時の雨」というリスク

家づくりで意外と軽視されがちなリスクがあります。それが上棟時の雨です。

完成してしまえば見えなくなるため、営業資料でもあまり語られませんが、現場を知っている人間ほど、この工程を重く見ています。

なぜなら、家の骨組みが一番むき出しになる瞬間だからです。

在来工法の上棟は「時間=リスク」になりやすい

在来工法の上棟は、基本的に時間がかかります。

柱を立て、梁を組み、その場で微調整しながら一つ一つ仕口を納めていくため、熟練の大工が集まり、丸一日、あるいは二日がかりになることも珍しくありません。

この間、家の構造材は屋外にさらされ続けます。もし途中で雨が降れば、木は濡れますし、乾く前に次の工程に進めば、内部に湿気を抱え込むことになります。

もちろん「養生はします」「多少濡れても問題ありません」と説明されるでしょうが、天気予報が外れて突然の雨に降られ、慌ててブルーシートをかける上棟現場を私は何度も見てきました。

ピン工法の上棟は「発想」がまったく違う

ピン工法の上棟は、考え方がまったく違います。部材は工場でほぼ完成形まで加工されており、現場では決められた順番で組み立てていくだけです。

その結果、極端なケースでは午前中で骨組みが立ち上がります。

つまり、構造材が雨にさらされる時間が圧倒的に短くなるのです。

これは大工さんを楽させるための話ではありません。

「早い=雑」という誤解が、真逆である理由

ここでよくある誤解が、「早く終わる=雑なのではないか」というものです。

答えは逆で、早いのは現場で悩む工程がなく、その場の勘や微調整に頼らないからです。

工場で精度を出し、現場では迷わず組む。これは工業製品として考えれば、ごく当たり前の発想です。

さらに、上棟が早く終われば、雨に濡れるリスクが下がり、職人の人件費が減り、足場や仮設の期間も短くなります。

結果として、品質が上がり、トータルコストが下がることすらあります。

「金物工法は高い」と言われがちですが、それは部材単体だけを見た話であり、工程全体で見れば、むしろ合理的な選択になるケースも多いのです。

私はいつも「契約前に上棟現場を見せてもらってください」と伝えることを勧めています。

段取りよくテンポよく組み上がっているか、職人が迷って立ち止まっていないか、現場監督が全体を把握しているか。

これを見るだけで、その会社の施工力と組織としての成熟度が見えてきます。

廣岡 旬

私は、慌てて養生する上棟現場を
何度も見てきました。

現場の真実③ ピン工法は「手抜きができない」

ピン工法は「良い材料しか使えない」制度で縛られている

ピン工法が本当に優れている理由は、制度として「悪い材料が使えない」ように縛られている点です。

ピン工法の金物は、国や公的機関の認定を受けなければ使用できません。

「この金物を、この樹種の、この強度、このサイズの木材と組み合わせた場合にのみ使用可」。こうした条件が、細かく指定されます。

ピン工法は「逃げる」ができない。在来工法は「計算上OK」で幅が出る

ピン工法を採用する時点で、住宅会社は「一定以上の品質を持つ木材」を使わざるを得なくなるのです。

金物だけ良くして、木は安物にする、という逃げ道が制度上存在しません。

一方、在来工法はどうか。ピン工法ほど厳密な組み合わせ指定はありません。

極端な話、「計算上はOK」という理由で、コストの安い木材を選ぶことも可能です。同じ耐震等級3でも、構造材の質には大きな幅が生まれます。

ここが、営業トークではほとんど語られない部分です。「耐震等級3ですから安心ですよ」という言葉の裏に、材料の格差が隠れています。

制度が会社を「良い意味で縛る」

もう一つ重要なのは、「制度が会社を縛る」という点です。

担当者が良い人かどうか、誠実かどうかに関係なく、制度上ピン工法は手抜きができない。

これは施主にとって、非常に大きな安心材料になります。人を信じなくていい。仕組みを信じればいいのです。

家づくりで一番怖いのは、「知らないうちにコストカットされている」ことです。

ピン工法は、そのリスクを制度ごと減らしてくれます。

廣岡 旬

ピン工法は、
「ちゃんと作ろう」と思わなくても、
ちゃんと作らざるを得ない仕組みです。

現場の真実④ プレカット工場と「専用ライン」の現実

「ピン工法なら同じ品質」は半分正解、半分間違い

「ピン工法なら、どこで建てても同じ品質」。そう思われがちですが、実はこれは半分正解で、半分間違いです。

差が出るのは、現場ではありません。どのプレカット工場で、どんな機械で加工されているか。

ここで、完成度が大きく変わります。

プレカット工場は今や「家の心臓部」

木造住宅の骨組みは、いまや現場で刻む時代ではなく、工場で加工されるのが当たり前です。

この加工を行うのが「プレカット工場」です。

問題は、この工場の中身まで見ている会社がどれだけあるか、という点です。

在来用の機械を「流用」している現実とピン工法専用ラインが生む「プラモデル品質」

実は多くの工場では、在来工法用の古い機械を流用して、無理やりピン工法の加工をしています。金物用の穴を後加工で開けたり、工程を人の手で補ったりするため、精度もスピードも落ちます。

一方で、ピン工法専用に設計された加工ラインを持つ工場があります。

金物の位置、角度、深さがすべて自動で制御され、加工誤差がほぼ出ません。ここで初めて、ピン工法の「プラモデルのように組める」という強みが最大化されます。

しかし、ここにも落とし穴があります。専用ラインは、数億円単位の設備投資が必要です。

導入したばかりの工場は、当然その機械代を回収しなければなりません。減価償却期間は、おおよそ8年。この期間中は、加工費が高くなりがちです。

逆に言えば、狙い目なのは「ピン工法の専用ラインを導入してから10年以上経っている工場」です。

設備投資の回収が終わり、高性能な機械だけが残っている。この状態が、品質とコストのバランスが最も良くなります。

工場まで説明できる会社は「本気」

ここまで意識している住宅会社は、正直かなり少数派です。

多くは「いつも使っている工場だから」「安く出してくれるから」という理由で選んでいます。

だからこそ、施主が投げるべき質問はこれです。

「どこのプレカット工場を使っていますか」。
「そこは、ピン工法専用ラインですか」。

この質問に、即答できるか。さらに、工場の特徴や背景まで説明できるか。それができる会社は、構造を単なるコストではなく、品質として管理しています。

ピン工法は、選んだだけで自動的に最高品質になる魔法ではありません。

「工法」「工場」「会社の姿勢」。この3つが揃って、初めて意味を持ちます。

廣岡 旬

今の家づくりは、
現場より工場でほぼ決まります。

会社選びで聞くべき質問は「御社はピン工法(金物工法)ですか?」

ここまで読んでいただいた方なら、もう気づいているはずです。

家づくりで本当に怖いのは、知らないうちに妥協させられていることです。デザインは、後から変えられます。設備も、将来交換できます。

でも構造だけは、完成した瞬間から一切やり直しがききません。

だからこそ、会社選びで最初に投げるべき質問。

「御社は、ピン工法(金物工法)ですか?」。

この質問には、驚くほど多くの情報が詰まっています。

まず、答えに詰まる会社。

「耐震等級3ですから大丈夫です」。
「在来でも問題ありません」。

こうした返答が返ってきた場合、その会社は構造を“数字”でしか見ていません。

次に、「在来工法です」と即答する会社。

悪い会社とは限りませんが、コスト優先である可能性は高い。
構造より、価格やデザインを武器にしている会社です。

そして、「ピン工法を標準で採用しています」と即答できる会社。

さらに、理由を語れる会社。

「なぜピン工法なのか」。
「コストは上がるが、品質が安定するから」。
「人の腕に依存しない構造にしたいから」。

こうした説明が出てくるなら、その会社は見えない部分にお金を使う覚悟があります。

構造を“売り文句”ではなく、“責任”として扱っています。

私はプロとして、ピン工法が最強だと知っていました。それでも、土地を優先し、工法を妥協しました。見えないからこそ、後悔は消えません。

この記事を書いた理由は一つです。あなたに、同じ後悔をしてほしくないからです。

モデルハウスに行く前に。
見積もりを比べる前に。
営業トークを聞く前に。

まずは、この質問を投げてください。
「御社は、ピン工法(金物工法)ですか?」。

その答え方に、会社の本質がすべて表れます。

在来工法とピン工法の違いまとめ

在来工法とピン工法の違いについて、構造の考え方という視点でまとめると、次のようになります。

比較ポイント在来仕口(在来工法)ピン工法(金物工法)
接合部の作り方木を削って組む木を削らず金物で固定
断面欠損発生する最小限
強度の出し方全体の計算でカバー接合部そのものを強化
品質の安定性大工の腕に左右される工場加工で安定
上棟スピード時間がかかりやすい短時間で完了しやすい
材料の自由度幅が広い(差が出やすい)認定制度で制限あり
会社の姿勢コスト調整しやすい構造に投資する覚悟が必要
廣岡 旬

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