- マイホームを建てたいけど、新築と中古だったらどっちがいいんだろう?
- 注文住宅と建売住宅だったらどっちがいいんだろう?
- そもそも自分のライフスタイルに合った住宅って何なんだろ?
そんな漠然とした悩みを抱えている方に向けて、住宅業界歴20年超えの筆者が分かりやすく解説いたします。
この記事では自分に合った住宅が何なのか?を理解する上で、知っておかないといけないことを段落形式で簡潔にまとめています。
それぞれの段落を確認していくと、おのずと自分に合った住宅が分かるようになっています。
住宅購入における、大きな方向性を決めるための参考になれば幸いです。
この記事を書いている人
廣岡 旬 Hirooka Jun
- 元住宅メーカーの部長
- 卒業設計コンクールで最優秀賞受賞
- 設計担当した物件が建築雑誌に掲載
- 住宅資材の開発に携わる
- 用地仕入・施工・設計など携わった職種は多岐にわたる
- 建築業界で20年以上従事
- 現在は住宅のコンサルタントをしながら、住宅業界に関わる情報を発信
いくらで買うのか?
価格は同じ場所で同じようなサイズ感であれば、概ね下記順番となります。
注意
住宅とマンションの価格を比較することは難しいですが、ここではあえて順番を付けています。
あくまで目安として捉えてください。
高い
- 注文住宅
- 建売住宅(分譲住宅)
- マンション
- 中古住宅または中古マンション
安い
建売住宅、マンションなどは【ホームズ】というポータルサイトで簡単に調べることができますので、住みたい地域がどれくらいの価格で買えるのか分かります。
コツは該当するエリアで【地図表示】で検索すると、地図上に分布図のような形で見ることができます。
ホームズをオススメする理由は新築、中古、マンション、戸建などを1クリックで簡単に切り替えできるためです。
難しいのは注文住宅です。
ここでは土地を保有していないことを前提としています。
ざっくりどれくらいの価格になるのか分かる計算式がこちらです。
項目 | 価格 |
---|---|
土地 | 2,500万円 |
仲介手数料(3%) | 75万円 |
取得費用(2%) | 50万円 |
建物価格(税込) | 2,750万円(ざっくり) |
合計 | 5,375万円 |
建物は2階建てで、延床面積30坪程度を想定していますが、建物価格は土地の高低差があるなど特殊な条件を除けば、どこで建ててもそんなに大きく変わりません。
価格が大きく変わってくるのは【土地価格】と【あなたのこだわり】です。
特に土地(不動産)地域によって何倍もの差がでてきます。
土地価格も【ホームズ】で簡単に調べることができます。
この簡易計算で、自分の予算内に収まりそうか分かります。
家族構成は?
1人で住むのに4LDKの家だと、仕事部屋として利用したとしても、そんな部屋数はいらないですよね?
将来を見据えた家族構成が何人になるのかによって住宅の種類は変わってきます。
それぞれの特長を見ていきましょう!
注文住宅
オーダーメイドのため家族構成が決まっていれば、何部屋でも追加可能です。
ただ、土地の大きさによって、建てられるサイズが決まってくるため、住む地域により実現が困難になるケースもあります。
例えば都心部だと土地が小さくなる傾向にあるため、部屋数を確保しようとすると3階建てになる可能性が高くなります。
一方で郊外だと大きな土地を確保できるため、平屋でたくさんの部屋数を確保することも可能となります。
建売住宅(分譲住宅)
ほとんどの建売住宅は4LDKです。
3LDKも若干販売されたりしていますが、注意が必要なのは、表記上は3LDKとなってますが、事実上4LDKという間取りも存在します。
なぜそんなことになるのかというと、建物と敷地の関係により、建築基準法上の採光を確保することができず、個室なのに【納戸】と表記しなければいけなくなるケースがあります。
納戸は個室ではないため、3LDKとなってしまうわけです。
また、住宅会社が戦略的に5LDKの商品を販売しているケースもあります。
しかしながら、3LDKや5LDKといった間取りは、建売住宅全体の中ではごくわずかであり、2LDKや1LDKは皆無といってもいいでしょう。
こういった内容から建売住宅を選択するということは、ほぼほぼ4LDKを選択することになります。
裏技として間仕切り壁を撤去して、2つあった個室を1つにするという方法もありますが、木造の場合、耐力壁といわれる構造的に重要な撤去することができない壁も存在するため、設計者へ相談が必要です。
マンション
一昔前は3LDKや4LDKが主流でしたが、近年は1LDK~3LDKが主流で4LDKはほとんど姿を消しました。
理由は「少子化」と「購入者層の年齢」によるところが大きいです。
1つ目の少子化は、単純に一人っ子が多くなり、そもそも4LDKの必要性がなくなってきたことが大きな要因です。
2つ目の購入層の年齢は、4LDKのマンションは延べ床面積が大きくなるため、高価格になります。
国土交通省「住宅経済関連データ」によると、分譲住宅購入者の30代未満が51.2%と、半数以上を占めています。。
共働き世帯が増えたとはいえ、30代で買える住宅には限りがあります。
マンションにおいては、こういった購入者層の若年化が、間取りのコンパクト化によるリーズナブルな価格帯にシフトしていったのではないでしょうか。
これらの内容から家族構成が4人以上の場合、マンションを選択するのはナンセンスかもしれません。
どこに住むのか?
あなたがどこに住むのかによって、選択肢の大枠が決まります。
同じ東京でも23区内と東村山市では経済面や需要などの理由により、買える住宅が変わります。
あなたが住みたい地域ではどのような住宅が多く販売されていますか?
- 新築マンションは販売されているのか?
- 分譲住宅がどれくらい販売されているのか?
- 売り土地(売られている土地)はあるのか?
これらのリサーチ方法は【ホームズ】というポータルサイトで検索することができます。
リサーチのコツは該当するエリアで【地図表示】で検索すると、地図上に分布図のような形で見ることができます。
新築、中古、マンション、戸建などを1クリックで簡単に切り替えできるためオススメです。
新築・中古マンションがほとんど販売されていないケース
都心部や駅周辺、幹線道路沿いなどマンションがたくさん建っているエリアなのに、販売されている新築マンションや中古マンションが少ない場合、そのエリアではマンションの希少性が高く、資産価値が高くなる可能性があります。
逆に郊外や駅から遠い場所などでマンションが販売されている場合、将来的に資産価値が落ちる可能性があります。
中古マンションをリサーチする際の注意点
中古マンションの場合、1つの物件を複数の不動産業者さんが販売しているケースが多く、一見すると物件数がたくさんあるように見えますが、実は同じ物件を複数の不動産業者さんが掲載しているということも少なくありません。
分譲住宅がたくさん販売されている場合
住宅の需要があり、多くの住宅会社が参入しているエリアです。
既に飽和状態なのかを一般の方が判断するのは難しいですが、それだけ販売されているということは、値引き交渉もしやすいということです。
こういったエリアでは住宅会社が【建築条件付き土地】を販売しているケースも多く、注文住宅も検討できるエリアでもあります。
中古住宅もたくさん販売されているエリアでもあります。
共働き夫婦で小さなお子さんがいる方は、保育園に入れない可能があるので、事前に調べておくことをオススメします。
こういった相談は区役所で対応してくれます。
【〇〇市 保育園 相談】でググってみてください。
分譲住宅をリサーチする際の注意点
分譲住宅の場合、1つの建物を複数の不動産業者さんが販売しているケースが多く、一見すると物件数がたくさんあるように見えますが、実は同じ建物を複数の不動産業者さんが掲載しているということも少なくありません。
ただ見方を変えると、多くの不動産業者さんが「これは売れる」と思って掲載しているため、住宅の需要があるということには変わりがないかもしれません。
新築・中古住宅がほとんど販売されていない場合
こういったエリアは大きく2つに分かれます。
- 希少価値の高いエリア
- 希少価値の低いエリア
どちらにせよ、物件がないので長期戦になります。
希少価値の高いエリアは、一般の方に知られることなく売買されることが多く、また「価格がどれだけ高くても買う」という富裕層も存在することから、予算に限りがある方は諦めたほうが無難です。
ここでは極端な書き方をしていますが、物件が出てきたとしても価格が高い傾向にあるため、それなりに予算がないと購入は難しいエリアとなります。
一方で希少価値の低いエリアは、土地が安い傾向にあるため、物件が出てくればチャンスはあります。
しかし、希少性が低いため、資産価値も低くなるリスクが大きくなります。
参考までにそのエリアの希少価値を調べる方法をお教えします。
国土交通省が運営している【不動産取引価格情報検索】というサイトがあります。
このサイト内で対象地域を検索すると、取引価格を閲覧することができます。
「土地」や「土地と建物」「地価公示」「商業地」など色々と閲覧できますが、「土地」と「地価公示」だけに着目してください。
希少価値の高いエリアは価格が高く、低いエリアは価格が安めです。
ちなみに「地価公示」というのは「国土交通省が色々と調査して決めた参考価格」と思って下さい。
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
売り土地
そもそもWEB上に掲載されている売り土地は少なく、ある程度住みたいエリアの範囲を広げておかないと、購入することは難しいと思った方がよいでしょう。
また、WEB上に掲載されている土地情報は、住宅会社が購入しないような土地が多く、これは「土地に魅力がない」といっても過言ではありません。
それなりの規模(年間100棟以上建てている)の注文住宅会社であれば、土地の紹介もしてもらえます。
これくらいの規模の会社は、不動産業者さんとの繋がりによる情報網もあります。
自分で探すよりも、こういった会社へアプローチしたほうが、建物が建たないような土地を紹介されるリスクも極めて低いため、そういった点でも安心です。
ただし、営業担当者によっては、建築制限が厳しかったり、近所に嫌悪感のある施設(ゴミ屋敷など)があるような土地を紹介されることもあるため、そこはしっかり見極めていきましょう。
以上が【あなたに合った住宅の見つけ方】でした。住宅探しの参考になれば嬉しいです。