ハウスメーカーと工務店の違いとは?他の住宅会社の特長もわかる!

目次

ハウスメーカーと工務店って何が違うの?

住宅会社って〇〇ハウスや〇〇工務店など、たくさんあるけど、結局のところ何が違うの?

調べてみたら不動産会社や設計事務所など、もっと色々な会社がでてきて、ますます違いが分からなくなった。

そんな方に向けて発信しております。

住宅を建てるため(買うため)に必要な知識として、ハウスメーカーと工務店の違いは対して重要ではありませんが、「お願いする会社はここで間違いないのかな?」不安ですよね?

住宅業界歴20年超えの筆者が分かりやすくご説明いたします。

これから住宅を建てたい(買いたい)方が会社を選ぶ際の参考になればうれしいです。

この記事を書いている人

廣岡 旬 Hirooka Jun

  • 元住宅メーカーの部長
  • 卒業設計コンクールで最優秀賞受賞
  • 設計担当した物件が建築雑誌に掲載
  • 住宅資材の開発に携わる
  • 用地仕入・施工・設計など携わった職種は多岐にわたる
  • 建築業界で20年以上従事
  • 現在は住宅のコンサルタントをしながら、住宅業界に関わる情報を発信

ハウスメーカー

よくある会社名

〇〇ハウス/〇〇ホーム

CMでよく流れていますし、多くのハウスメーカーが総合展示場に出店しているので、一番認知されている属性です。

家電に例えるとパナソニックやソニーのような立ち位置です。

自社工場(またはOEM工場)を持ち、オリジナルの工法(特許)を持ち、不動産から設計、施工まで住宅建築に関わる全てを提供しています。

全国屈指のハウスメーカーともなると、ユニットバスなどの住宅設備機器や、サッシなどのいわゆる建材メーカー品と言われるものまで、自社オリジナル製品として取り扱っていたりします。

ありとあらゆるものを自前で用意するため、それらを維持するだけでもコストがかかってそうですよね

工務店

よくある会社名

〇〇工務店/〇〇建築/〇〇建設

元々は設計士(設計事務所)が図面を描いて、その図面を基に家を建てていたのが工務店です。

商売上手な工務店が自らの知識や経験を活かして、設計や営業までおこないだした結果、ハウスメーカーと工務店って何が違うんやろ?」となったわけです。

竹中工務店さん(ハウスメーカーではなくゼネコンですが)はその最たる例です。

職人気質的な会社が多いため、品質が期待できる一方、材料に対する強いこだわりなどから、コストが高くなりがちで、スタイリッシュなデザインになりにくい傾向にあります。

注:工務店の中にもローコストに建てる会社や、スタイリッシュなデザインができる会社もあります。

不動産会社

よくある会社名

〇〇不動産/〇〇不動産販売/〇〇ハウス/〇〇住宅

アパートなどの賃貸物件や、土地や建物の売買を仲介するのを仕事にしている不動産会社が多いですが、駐車場やマンション、オフィスビルなどの管理をする不動産会社もあります。

近年は投資家から資金を集めて不動産投資をおこなう、不動産ファンドなどの会社も出てきています。

こういったまさに不動産を扱う会社が、自ら土地を買って建物を建てて販売もおこなっています。

不動産の知識や情報があるだけに、「この土地お買い得やから、仲介するより自分で買って売ったほうが儲かる」となるわけです。

不動産に詳しい一方で建物に関する知識が乏しい会社も多く存在しているため、設計や建築工事はどこかの工務店に丸投げしている会社が比較的多いです。

注:不動産会社の中にも、設計や建築工事にこだわりをもった会社もあります。

建設会社

よくある会社名

〇〇建設/〇〇工業

工務店との違いはほとんどありませんが、私の個人的な感覚としては木造以外における構造(鉄骨造やRC造など)も建築することができる会社が多いです。

この属性の会社の中には造成工事や土木工事を行ったりもしています。

何よりもオフィスビルや商業施設などの大型建築を施工するゼネコンが圧倒的に多く、戸建住宅を積極的に請け負っている会社は比較的少ないように感じます。

デベロッパー

よくある会社名

〇〇住宅/◯◯不動産/企業名そのまま

不動産デベロッパーやディベロッパーなどとも言われており、直訳すると「開発者」ですが、住宅業界では大規模な宅地開発や都市開発を行う会社を意味し、土地を開発するので資金力が必要となります。

鉄道系といわれる親会社が鉄道会社で、駅周辺を開発する「〇〇駅再開発」などと言われたりしますが、他にも丸の内(東京)周辺を開発したことで有名な、財閥系といわれる会社もあります。

継続的に土地を3〜4区画に割って住宅を建てて売るという、いわゆる建売住宅を専門に事業をおこなう会社もここに該当し、年間何千棟も建てたりする会社も存在し、建売業者ともいわれたりします。

鉄道系や財閥系といった会社は、自社で施工することはなく、下請け工務店などに一括発注して工事を行います。

潤沢な資金を保有していることから、薄利多売ではなく、しっかりと利益が確保できる事業展開を行います。

そのため建物価格は高くなりがちです。

ブランド力があるので販売価格が高くても売れるわけです。

自己資金で事業展開していることもあり、表立って値引きをすることはほとんどありません。

値引きをしない理由としては、ブランドを損なわないといった理由もあります。

一方で建売業者の多くは資金を銀行から融資を受けて事業を展開している会社が多いです。

そのため販売が不調になると、銀行から融資を受けられなくなるため、多少値引きをしてでも早期に販売する傾向にあります。

この値引きのタイミングを見計らって購入すると、かなりお買い得になりますね。

設計事務所

よくある会社名

〇〇設計/〇〇建築設計事務所/〇〇工房

まず自社で施工している設計事務所は皆無といっていいでしょう。

そのため、施工については別の会社(工務店など)へ丸投げしているケースが大半です。

ただし、デザインに対してのこだわりが強く、自分が設計した建物を【作品】と考えており、思い通りの建物に仕上げるため、設計だけではなく監理まで包括して請け負うケースが多いです。

監理というのは図面通りに施工がされているのか?法律に違反していないか?工事がスケジュールどおりに進んでいるのか?などを行う仕事ですが、簡単な字の【管理】とは違い、建築に関わるたくさんの法的な義務を負います。

詳細は割愛しますが、この義務を怠ると免許(1級建築士や2級建築士など)をはく奪されることもあります。 

個人で経営している設計事務所が多いため、意外に最新の建築事情(設備機器や法律関係など)に詳しくなかったり、細かい施工の内容や、コストに詳しくなかったりします。

番外編 住宅フランチャイズ

住宅フランチャイズには大きく分けて、フランチャイズ(FC)とボランタリーチェーン(VC)の2つ種類があります。

フランチャイズ(FC)

住宅事業者が間取りや資材供給、アフターサービスに至るまでオールインパッケージで購入する形式です。

中には資材だけのパッケージなど、部分だけをフランチャイズにしている会社も存在します。

フランチャイズのメリットはブランド力です。

町の不動産屋さんが注文住宅をやろうとしても、購入者から認知されていないため、多額の費用を使って広告宣伝をしなければいけませんが、フランチャイズに加盟すれば、既に認知されているため、顧客開拓がかなり楽になります。

決して「フランチャイズだから安い」ということではありませんので、ご注意ください。

コンビニエンスストアと町のスーパーを想像していただくと分かりやすいです。

同じ商品でもコンビニエンスストアの方が、ちょっと高いですよね?

FC加盟店の利益だけでなく、FCを展開する事業者(本部)も利益を取りますので、割高になりがちです。

ボランタリーチェーン(VC)

厳密にいうとフランチャイズではないのですが、ボランタリーチェーンとは加盟店が協力しあって資材を購入し、コストダウンを図ったり、ブランディングして購入者に認知してもらったりするというビジネスモデルです。

フランチャイズとの大きな違いは

  • ボランタリーチェーンを運営する事業者(本部)は存在するものの、フランチャイズ特有のロイヤリティといわれるブランド使用料が発生しません。
  • フランチャイズは基本的にパッケージでしか購入できず、「これとこれだけ買いたい」ということができません。

一方でボランタリーチェーンは購入に関する自由度が高く、「欲しいものだけ買う」ということができるケースが多いです。

FCにせよVCにせよ、施工するのは加盟店であり、万が一欠陥があった場合にFC(VC)本部が保証することはありません。

結局は加盟店が「信用できる会社か?」ということになり、結局のところ、よく町の工務店に対し「この工務店は信用できるのか?」と考えることと一緒です。

以上が住宅を事業にしている会社の種類でした。住宅会社選びの参考になれば嬉しいです。

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