アート建工はやばい?評判・口コミを業界人が徹底検証!【鳥取・島根】

「アート建工 やばい」と検索して、この記事にたどりついたあなたへ。

山陰で着工棟数ナンバーワンと掲げている会社です。展示場もきれいで、担当者の評判も悪くない。それなのに検索窓には「やばい」が並ぶ。ネットを開けば「明らかな欠陥住宅」「アフターは一切なし」という書き込みが出てくる。どちらを信じればいいのか分からない。

そんなふうに、鳥取県・島根県でアート建工を候補に入れている方に向けた記事です。

私は住宅業界25年。設計事務所から住宅会社まで渡り歩き、現役の業界人として、事業の数字と現場の両方を見てきました。

先に答えを言います。

ネットに残る最も重い悪評は、社名が「アート建工」になる前、株式会社アート建築研究所だった時代の家に対する評価です。社名変更は2002年。四半世紀近く前の話です。今のアート建工は断熱等級6を標準にし、年間246棟を建てる会社になっています。

ただし、擁護する記事にするつもりはありません。これは昔の家の話であって、総額の見せ方に不満が出ていることや、引き渡し後のアフターの初動が遅いという指摘は、まったく別の問題として残っています。

この記事では一つずつ分解していきます。

おすすめ度

アート建工が選ばれる理由

  • 断熱等級6を標準にしている(国が推奨するZEH水準のさらに一つ上の等級)
  • 気密性能C値を「全棟平均0.67」と公表している(実際に測らないと出せない数字)
  • 耐震等級3が標準。長期優良住宅にも対応している
  • 構造の初期保証20年、最長60年。地盤保証20年、設備の延長保証10年
  • 山陰ビルダー部門で着工棟数1位(2024年度・住宅産業研究所調べ)
  • 鳥取4拠点・島根2拠点の6拠点体制。土地探しから引き渡し後まで自社で完結する
こんな人におすすめ
  • 山陰の冬の寒さと湿気に合わせた性能を、手の届く価格で欲しい人
    断熱等級6とC値0.67を標準で出している会社は、山陰では多くありません。
  • 土地探しから任せたい人
    不動産事業と土地情報センターを自社で持っていて、土地と建物を同じ窓口で進められます。
  • 建てたあとの窓口が近いほうが安心な人
    県内6拠点と24時間365日のコールセンターがあります。
  • 予算に合わせてブランドを選びたい人
    注文住宅、価格を抑えた注文住宅、建売と、価格帯の違う窓口が用意されています。
向いていない人
  • 本体価格だけを見て会社を比べたい人
    付帯工事や設計料を含めた総額で見ないと、比較を誤ります。ここは実際に指摘が出ています。
  • 坪単価が公表されていないと動けない人
    公式サイトに坪単価の記載はありません。プランごとの見積もりで確認する形になります。
  • 間取りをゼロから作り込みたい人
    規格プランをベースに変えていく作り方が中心で、自由度は低いという声があります。
  • 気密性能を最優先にしたい人
    C値は全棟平均0.67。実測して公表している点は評価できますが、0.3台を出す会社もあります。
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商号株式会社アート建工(前身は株式会社アート建築研究所。2002年に社名変更)
創業1985年(昭和60年)4月5日/鳥取県境港市で工務店として創業
本社鳥取県米子市両三柳255-8
拠点鳥取4拠点(本社・米子店・鳥取店・倉吉店)/島根2拠点(松江店・出雲店)
資本金4,900万円
代表取締役社長魚谷 宗司(2012年就任)
従業員数170名(公式サイト・2026年5月1日現在)
累計実績約2,077棟(1985年〜2026年4月)
年間着工棟数2023年度250棟/2024年度240棟/2025年度246棟(2026年度は330棟の予定)
建設業許可国土交通大臣許可(特-5)第28768号(SUUMO掲載。公式サイトの表記は特-4)
宅建業免許国土交通大臣許可(2)第9706号
一級建築士事務所登録番号 第05-803号
対応エリア鳥取県・島根県(米子・鳥取・倉吉・出雲・松江の各エリア)
断熱・耐震性能断熱等級6/C値 全棟平均0.67/耐震等級3/長期優良住宅対応
坪単価の目安公式の公表なし。SUUMO掲載の建築実例のうち、価格が出ている7件から計算すると坪48〜94万円
保証構造の初期保証20年・最長60年(有償更新)/地盤保証20年/設備延長保証10年
ブランドアート建工(注文)/トコスホーム(価格を抑えた注文)/マチリブ(分譲建売)ほか
この記事で分かること
  • 「やばい」という評判の正体を、3つに分解した結果
  • ブランドごとに口コミがどう混ざっているのか
  • 悪い口コミ・クレーム5つを、投稿年月と出どころ付きで検証した内容
  • 「欠陥住宅」という報告が実際にあるのかどうか
  • 累計棟数と年間着工数から計算した、この会社の急拡大の中身
  • 拠点ごとに口コミの評価がどれだけ違うのか
  • 建築実例から計算し直した、坪単価の実際の帯

1社だけ調べて決めるのは、後悔する典型的なパターンです。

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目次

「アート建工はやばい」の正体は3つ。最も重い口コミは社名変更前の家の話です

「やばい」の中身は、①社名変更前に建てられた家への告発、②引き渡し後のアフターの初動、③本体価格と総額のギャップ、この3つに分けられます。

理由は単純で、ネット上に残っている否定的な投稿を一つずつ年月まで遡って追いかけると、この3種類にしか行き着かないからです。

そして①はすでに別の会社の話になっており、②と③は今も残っている論点です。ここを混ぜて読むと判断を誤ります。

① 最も重い告発は「前身のアート建築で建てた家」だった

これが最大のポイントです。

アート建工について書かれた投稿の中で、圧倒的に強い言葉で書かれているのが次の一件です。Googleマップの本社所在地に、約5年前(2021年ごろ)に投稿されています。

実家が前身のアート建築で建てた家だが、素人目に見ても明らかな欠陥住宅。アフターケアも一切なし。断熱材もなければ、家具が当たっただけで穴の開く壁。エアコンを買い替えたときの工事業者から「この壁ではエアコンの重さに耐えられない」と言われ、補強工事までしてもらった。
※投稿内容の要旨。引用元:Googleマップ「㈱アート建工」への口コミ(約5年前・クチコミ91件のローカルガイド)

読めば誰でも身構える内容です。私も最初に見たときは手が止まりました。

ただし、この投稿には決定的な一言が含まれています。「前身のアート建築で建てた家」という部分です。

公式サイトの沿革を見ると、こうなっています。

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1985年前身の株式会社アート建築研究所を創業(鳥取県境港市)
2002年株式会社アート建工へ社名変更
2004年現代表の魚谷宗司氏が入社
2005年注文住宅事業へ本格参入
2010年JAHBnet(ジャーブネット)に加入
2012年魚谷宗司氏が代表取締役に就任
2017年トコスホームブランド設立
2019年マチリブブランド設立、福祉事業部設立
2021年鳥取・出雲・松江へ出店し6拠点体制へ
2025年倉吉店開設
2026年米子市に体感型ショールームを開設

投稿者が書いている「アート建築」は、2002年より前の社名です。

そして注文住宅事業に本格参入したのは2005年、現在の代表が就任したのは2012年です。この告発が事実だとしても、対象になっているのは20年以上前、注文住宅を主力にする前の会社が建てた家ということになります。

投稿者は「適当に建てて会社名を変え」とも書いていますが、社名変更は2002年、その後に経営陣も事業の主力も入れ替わっています。

もちろん、当時の施主にとって会社の看板が同じである以上、納得できない気持ちは当然です。そこは否定しません。

廣岡 旬(宅建士)

住宅会社の口コミで一番危険なのは、「いつ建てた家の話か」を確認せずに読むことです。住宅会社の中身は10年あれば完全に入れ替わります。20年前の一件で今の会社を判断すると、まず間違えます。

② 引き渡し後のアフターの初動は、今も残っている論点

2つ目は、建てたあとの話です。

同じくGoogleマップの本社所在地に、約5年前(2021年ごろ)に投稿されたものがあります。

家を購入したがアフターサポートが残念。なかなか作業してもらえず、作業が始まってからも段取りが悪くてモヤモヤした。担当者とも連絡が繋がりにくく、不安になる。
※投稿内容の要旨。引用元:Googleマップ「㈱アート建工」への口コミ(約5年前・クチコミ6件のユーザー)

これは①とは性質がまったく違います。建物そのものではなく、引き渡したあとの体制の話だからです。

後ほど詳しく書きますが、アート建工は2018年の62棟から2025年度の246棟へ、着工棟数を4倍近くに増やしています。建てる棟数が増えれば、引き渡し済みの家も雪だるま式に増えます。

アフターの体制がそれに追いつくかどうかは、急拡大する住宅会社が必ず通る関門です。

③ 本体価格と総額のギャップは、2026年の投稿でも指摘されている

3つ目は、最も新しい指摘です。

建物本体価格は安く見えるが、屋外給排水設備や付帯工事、設計料など、建物以外の価格が高い。本体価格を安く見せて客を寄せ、その他の費用を高くして全体で帳尻を合わせているのだろうと思う。
※投稿内容の要旨。引用元:みんなの工務店リサーチ「アート建工」への口コミ(2026年3月14日・「建ててる途中」さん)

これは現在進行形で建てている人の投稿です。無視できません。

ただし、業界人として補足しておきます。本体価格と総額に2〜3割の差が出るのは、アート建工に限らず住宅業界全体の構造です。

地盤の補強、給排水の引き込み、外構、登記費用、住宅ローンの手数料。これらは建物本体の外側にあり、土地の条件で金額が大きく変わります。

問題は、それを契約前に見せてもらえるかどうかです。ここは聞けば解決できる話なので、後半の確認項目に入れています。

倉田 結城(一級建築士)

「やばい」と書かれた投稿は、まず投稿年と、書いた人が施主なのか近隣の方なのか来場しただけの人なのかを確認してください。この2つを分けるだけで、自分に関係のある情報がはっきりします。

アート建工が向いている人・向いていない人

アート建工は「性能を数字で確かめて選びたい人」に合理的で、「最初に出た金額のまま進みたい人」には向かない会社です。

理由は、この会社の情報の出し方にあります。

公式サイトで前面に出しているのは、断熱等級6、C値の全棟平均0.67、耐震等級3という性能の数字です。一方で、坪単価や標準仕様の詳細は公開していません。

つまり、性能は先に見えるが、金額は来店して初めて見えるという設計になっています。

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あなたの状況アート建工は合うか理由
山陰の気候に合った断熱性能が最優先かなり合う断熱等級6を標準にし、C値も実測値で公表。山陰の地域ビルダーでここまで出す会社は多くない
土地探しから一緒に進めたい合う不動産事業と土地情報センターを自社で持ち、土地と建物を同じ窓口で扱える
本体価格だけで会社を比べたい合わない付帯工事や設計料を含めた総額で比べないと判断を誤る、という指摘が実際に出ている
間取りをゼロから作りたい要検討「設計の自由度は低い」という声がある。規格プランをベースに変えていく作り方が中心

もう一つ、判断材料になる数字があります。

2025年度の着工が246棟、従業員数は170名です。全社員1人あたり年間1.4棟という計算になります。

この数字自体は、住宅会社としては余裕がある方です。年間300棟を100人前後で回している会社は珍しくなく、その場合は1人3棟になります。

ただしアート建工の170名には、不動産、非住宅、福祉の各事業の人員も含まれています。注文住宅の現場だけを見た人数はもっと少ないはずなので、この数字は余裕の証明としては弱めに見ておくべきです。

倉田 結城(一級建築士)

複数の事業を持つ会社の従業員数は、住宅部門の人数とイコールではありません。気になる場合は「注文住宅の設計と現場監督は何名いますか」と聞けば、その場で答えが出ます。

アート建工の悪い口コミ・クレーム5つを投稿年月と出どころ付きで検証する

悪い口コミ5つのうち、最も重い1件は社名変更前の家への評価でした。今も有効な指摘として残るのは、総額の見せ方・アフターの初動・現場の近隣対応の3つです。

理由は、投稿年月と投稿者の立場を1件ずつ確認していくと、指摘の中身がきれいに分かれるからです。

先に、母集団の偏りについて書いておきます。

アート建工には、大手ハウスメーカーのような大規模な口コミ掲示板のスレッドがありません。今回確認できた否定的な投稿は、Googleマップと口コミ集計サイトを合わせても10件ほどです。

年間246棟という規模に対して、この件数は「平均的な体験」を表すものではありません。ネットに残るのは、強い不満を持った人と、強く満足した人の両端だけです。そのつもりで読んでください。

なお、口コミに出てくる店舗名や担当者名は伏せます。担当者は入れ替わるので、店舗名を書いても読者にとって再現性がないからです。

一つずつ見ていきます。

① 実家が欠陥住宅で、アフターも一切なかった

記事の冒頭で紹介した、約5年前(2021年ごろ)のGoogleマップへの投稿です。

投稿者自身が「前身のアート建築で建てた家」と書いており、社名変更は2002年です。

この投稿には会社側の返信が付いていません。ですので、会社側の言い分は分かりません。断定はできない件だという前提で扱っています。

ただ一つ言えるのは、2005年以降に建てられた家について、同じ内容の告発は一件も見つからなかったということです。

② アフターの作業が進まず、担当者とも連絡がつかない

アフターサポートがなかなか進まず、作業が始まってからも段取りが悪かった。担当者とも連絡が繋がりにくい。
※投稿内容の要旨。引用元:Googleマップ「㈱アート建工」への口コミ(約5年前・クチコミ6件のユーザー)

これは2021年ごろ、着工棟数が130棟から167棟へ増えていた時期の投稿です。

公式サイトによれば、現在は24時間365日対応のコールセンターが用意されています。引き渡し後10年間は、水まわりのトラブルであれば出張費と30分以内の作業代が無料とも明記されています。

投稿の時点でこの体制があったかどうかは確認できませんでした。今この会社を検討している人にとって重要なのは、窓口が営業担当なのか、専用のコールセンターなのかという点です。

廣岡 旬(宅建士)

アフターの不満は、たいてい「誰に言えばいいか分からない」から始まります。引き渡し後の連絡先が営業担当の携帯なのか、専用窓口なのか。ここを契約前に確認しておくだけで、体験がまったく変わります。

③ 営業にやる気を感じず、近所の現場も気になった

モデルハウスの匂いが気になったのと、営業の方と話したがやる気が感じられなかった。近所で建てている家を見ていると、基礎をやり直していたり、棟上げ後にまったく雨養生をされることなく進んでいる。
※投稿内容の要旨。引用元:みんなの工務店リサーチ「アート建工」への口コミ(2022年10月7日・匿名)

この投稿は、営業の印象と現場の様子という2つの話が混ざっています。分けて考えます。

まず「基礎のやり直し」について。基礎を壊してやり直すというのは、それ自体は不良の発覚を意味しますが、やり直しているという事実は、検査で見つけて直しているという意味でもあります。

本当に問題なのは、不良に気づかないまま上に建ててしまう会社です。

次に「雨養生をしていない」について。これは木造住宅の現場でよく議論になる点です。

棟上げ後に構造材が雨に濡れること自体は、多くの住宅会社で起きています。使われている構造用集成材や合板は、一定の水濡れを前提に作られているためです。ただし、濡れたまま断熱材や内装で塞いでしまうと問題になります。

つまり、濡らしたかどうかより、濡れたあとに乾かしてから塞いだかどうかが本質です。ここは見学のときに監督へ聞けば分かります。

④ 本体価格を安く見せて、付帯工事で帳尻を合わせている

建物本体価格は安く見えるが、屋外給排水設備や付帯工事、設計料などが高い。本体を安く見せて客を寄せ、その他で帳尻を合わせているのだろう。
※投稿内容の要旨。引用元:みんなの工務店リサーチ「アート建工」への口コミ(2026年3月14日・「建ててる途中」さん)

これが今のアート建工に対する、最も新しくて最も具体的な指摘です。

この会社は不動産事業と分譲事業を自社で持っています。土地から扱う会社は、土地の造成費や引き込み工事を「付帯」として建物の外に置く見積もりの作り方に慣れています。

悪意があるかどうかは分かりません。ただ、本体価格だけを他社と比べると必ず判断を誤る会社であることは間違いありません。

対策は一つです。「引っ越して住み始められる状態までの総額」で見積もりを出してもらうこと。これだけで解決します。

⑤ 朝7時ごろからの工事音と、前面道路をふさぐ駐車

朝早く(7時頃)から家の目の前で工事の音が大きく、眠れない。家の前にトラックを置かれて塞がれたため以前にも電話を入れたが、また何台も停められて塞がれた。
※投稿内容の要旨。引用元:Googleマップ「アート建工 米子店」への口コミ(約3か月前・2026年6月ごろ・クチコミ21件のローカルガイド)

これは施主ではなく、工事現場の近隣に住んでいる方からの投稿です。立場が違うので、分けて読む必要があります。

ただし、施主にとっても他人事ではありません。工事中の近隣対応は、そのまま入居後のご近所付き合いに跳ね返ってくるからです。

公平のために書いておくと、この投稿には会社から返信が付いています。放置はされていません。

そして、これは2026年6月ごろの投稿です。年246棟を6拠点で回している会社で、現場の管理がどこまで行き届いているか。ここは今の論点として残っていると見るべきです。

倉田 結城(一級建築士)

着工前の近隣挨拶を誰が、どの範囲まで回るのか。作業の開始時刻は何時からか。この2つを契約前に聞いておくと、入居後の関係がまるで変わります。

「欠陥住宅」の報告は、2005年以降の家では確認できなかった

ここで一度、いちばん気になる点をまとめておきます。

建物が傾いた、雨漏りが止まらない、構造に問題があるといった実害の報告は、2005年以降に建てられた家については一件も見つかりませんでした。

「欠陥住宅」という言葉が出てくるのは、①の前身の会社が建てた家への告発、この1件だけです。

③の「基礎のやり直し」も、欠陥を放置した話ではありません。やり直している最中の現場を、外から見た感想です。

ただし、これは「欠陥がない」という証明ではありません。ネットに出ていないだけ、という可能性は残ります。

そのうえで、施工の確かさを自分で確かめられる材料が3つあります。

  • C値を全棟で測っている
    気密測定は、完成した家に機械をつないで実測する作業です。全棟平均を出せるということは、全棟で現場に測定機を持ち込んでいるということになります。
  • 瑕疵と地盤の保証に第三者機関が入っている
    SUUMOの会社情報によれば、第三者機関である株式会社家守りの瑕疵・地盤保証を導入しています。自社だけで完結していません。
  • 長期優良住宅に対応している
    構造・劣化対策・維持管理の計画まで書類で審査される国の認定制度です。認定を取った家は、第三者の目を一度通っていることになります。

それでも不安が残るなら、第三者のホームインスペクション(住宅診断)を入れるのが確実です。費用は5〜10万円程度で、この後の確認項目でも触れています。

価格を抑えたブランドの口コミは、本体ブランドと分けて読む

ここは見落とされやすい点です。

アート建工は「アート建工」という注文住宅ブランドのほかに、価格を抑えた注文住宅のトコスホーム、分譲建売のマチリブなど、複数のブランドを持っています。

そして、ネットで「アート建工」を調べていると、別ブランドでの体験談が混ざって出てきます。

知り合いが建築したが、はじめの話と違うことばかりで営業がいい加減だと相談された。話を聞く限り管理もずさん。断熱も普通で気密は良くないように聞いている。適正価格と言われているが、値段相応の普通の家。
※投稿内容の要旨。引用元:Googleマップ「トコスホーム 米子店」への口コミ(約5年前・クチコミ12件のユーザー)

この投稿は、価格を抑えたブランドについてのものです。しかも投稿者本人の体験ではなく、知り合いから聞いた話として書かれています。

伝聞である以上、そのまま事実として扱うことはできません。

ただ、価格帯の違うブランドは、標準仕様も担当するチームも違うのが普通です。ここを分けずに読むと、評価がぶれます。

看板は同じなので、最初に問い合わせる窓口を間違えれば、思っていたのと違う仕様の提案を受けることになります。「これはどのブランドの家ですか」と最初に確認してください。

悪評が生まれる本当の理由は「年24棟の工務店が年250棟のビルダーになった」ことにある

アート建工の強みも弱みも、「地方の小さな工務店が、10年足らずで山陰トップのビルダーになった」という一点で説明がつきます。

私は住宅業界25年のあいだに全国の住宅会社を見てきましたが、社風・価格の付け方・商品の作り方は、その会社がどこから来たかでほぼ決まります。

この会社の出自は、はっきりしています。

2017年の社員は14名だった

これは推測ではありません。グループの持株会社であるサインインホールディングの公式サイトに、代表自身の言葉として書かれています。

当社は1985年に鳥取県境港市で工務店として生まれた。私は主に公共事業を手掛ける建設会社の3代目として生まれたが、公共事業の会社は2017年に他社へ事業譲渡し、住宅事業に専念することに決め、本社も米子市に移した。その会社がアート建工である。その時の社員数は14名だったと記憶している。
※内容の要旨。引用元:サインインホールディング公式サイト「ご挨拶」(代表取締役 魚谷宗司)

2017年に社員14名。それが2026年5月現在で170名です。

9年でおよそ12倍になっています。

棟数も同じです。2018年の着工は62棟でした。それが2023年度に250棟に達しています。

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年度着工棟数
2018年62棟
2020年度130棟
2021年度167棟
2022年度200棟
2023年度250棟
2024年度240棟
2025年度246棟
2026年度330棟(予定)

売上も、2015年の4.9億円から2024年に66億円へ。およそ13倍です。

累計2,077棟のうち、約6割が直近6年に集中している

ここが、この記事で一番お伝えしたい数字です。

公式サイトによれば、累計の引き渡しは約2,077棟(1985年〜2026年4月)。そして2020年度から2025年度までの6年間の着工を足すと1,233棟になります。

つまり、41年間の累計のうち、約6割がこの6年間に建てられた家です。

残りのおよそ840棟を1985年度から2019年度までの35年で割ると、年平均24棟。月に2棟の、まさに町の工務店の数字です。

先ほどの表にあった2018年の62棟も、この平均から見れば十分に多い数字です。つまり拡大は2018年より前から始まっていて、2020年以降に一気に加速したということになります。

ここまで来ると、悪評の読み方が変わってきます。

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時期会社の姿この時期に出ている指摘
2002年より前株式会社アート建築研究所。年間20棟前後の工務店建物そのものへの告発(断熱材がない、壁が弱い、アフターなし)
2020〜2022年ごろ棟数が130→200棟へ急拡大。社員も急増アフターの初動、営業の印象、現場管理へのばらつき
2023年以降年240〜250棟で安定。6拠点体制が完成総額の見せ方、工事現場の近隣対応

指摘の中身が、時期ごとにきれいに移り変わっています。

建物そのものの欠陥を訴える声は古い時代に集中し、新しくなるほど「見積もりの見せ方」「近隣対応」といった、運営の話に変わっていきます。

廣岡 旬(宅建士)

急拡大する住宅会社が必ず通る道です。人を増やしても、経験は買えません。仕組みが追いつくまでの数年間は、担当者によって体験に差が出ます。だからこそ、こういう会社を選ぶときは「担当者の当たり外れ」を前提にした確認をしておく必要があります。

この出自が強みになっている部分

  • 仕様の底上げを一気にできる
    2010年にJAHBnetという住宅会社のネットワークに加入しています。共同で仕入れ、標準仕様をまとめて引き上げられる仕組みです。
  • 土地から建物まで自社で完結する
    不動産事業、土地情報センター、分譲事業を自社で持っています。山陰の土地情報が最初から手元にある強さです。
  • 性能の数字を公表できる
    C値の全棟平均を出せるのは、全棟で気密測定をしているということです。棟数が増えたからこそ回せる体制でもあります。
  • 拠点が近い
    鳥取4拠点、島根2拠点。何かあったときに人が来られる距離に窓口があるのは、地域ビルダーの最大の価値です。

この出自が弱みになっている部分

一方で、裏返しもはっきりしています。

経験年数の浅い社員の比率が、どうしても高くなります。

9年で社員が12倍になったということは、社員の大半が入社10年未満ということです。設計も現場監督も、経験が効く仕事です。

公式サイトによれば、有資格者は一級建築士9名、二級建築士26名、1級施工管理技士8名、宅地建物取引士19名。従業員170名に対する数字です。

そして、事業の幅も広がり続けています。注文住宅、分譲、不動産、非住宅、福祉。窓口が増えれば増えるほど、どのブランドの誰に当たるかで体験が変わります。

口コミの評価が拠点ごとにばらついているのは、まさにこの構造の表れです。次の章で、その数字を見ます。

アート建工の良い口コミ・評判5つと、拠点ごとの評価差

良い評価は「大手と同等の性能を安く建てられた」「担当者が現実的な提案をしてくれる」の2つに集中しています。そして注文住宅の窓口になる店舗の評価は4.7と高い水準です。

理由は、この会社が性能で選ばれているからです。価格で選ばれている会社の口コミは、こういう形になりません。

① 某大手とほぼ同じ仕様で、数百万円の差が出た

大手と変わらない性能で価格は安いので、こちらで建てた方がお得だと思う。自分も最初は某大手で話を進めていたが、ほぼ同じ仕様で数百万円の差が出た。
※投稿内容の要旨。引用元:みんなの工務店リサーチ「アート建工」への口コミ(2021年7月5日・匿名)

これは業界の構造から見ても、あり得る話です。

大手ハウスメーカーの価格には、住宅展示場の維持費、テレビCM、全国の営業組織の人件費が乗っています。地域ビルダーにはそれがありません。

年間240〜250棟という規模は、建材メーカーに対する交渉力が十分に働く水準です。そのうえで固定費が軽い。差が出るのは当然と言えます。

② 断熱・デザイン・価格のバランスが良い

バランスの良い住宅。断熱、デザイン、価格、すべてがほどよい。構造のことを考えて、しっかりと作図してくださる。
※投稿内容の要旨。引用元:みんなの工務店リサーチ「アート建工」への口コミ(2022年8月21日・匿名)

「構造のことを考えて作図する」という表現が出てくる口コミは、そう多くありません。

前身が設計を名乗る会社だったこと、そして一級建築士事務所の登録を持っていることを考えると、設計の基礎体力はある会社だと見ています。

③ 標準仕様で耐震等級3

標準仕様で耐震等級3。オプションで制震装置を付ければ、南海トラフの心配も減りそう。
※投稿内容の要旨。引用元:みんなの工務店リサーチ「アート建工」への口コミ(2024年9月5日・「米子民」さん)

耐震等級3というのは、法律で決められた強さの1.5倍。消防署や警察署と同じ水準です。

この投稿で注目すべきは、制震装置を「オプション」と書いている点です。公式サイトは「耐震+制震」を掲げていますが、制震が標準なのかオプションなのかは公式サイトから確認できませんでした。

ここは後半の確認項目に入れています。

④ 工務店も検討したが、打ち合わせが全くストレスにならなかった

打ち合わせを一通り終えて着工した段階。担当してくださった皆さんがとても良い方々で、進行中もストレスを感じることなく、むしろ楽しく打ち合わせができた。価格のことを考えて工務店も検討しようかと思っていたが、こちらにお願いして本当に良かった。
※投稿内容の要旨。引用元:Googleマップ「アート建工 米子店」への口コミ(約5か月前・2026年4月ごろ)

これは2026年の投稿です。悪い口コミと同じ時期に、これだけ満足している施主もいるということです。

⑤ 無理な提案ではなく、現実的なアドバイスをしてくれた

いくつかの会社を回ったが、最終的にこちらに決めた理由は営業担当の対応だった。要望をしっかり汲み取ってくれて、無理な提案ではなく現実的なアドバイスをしてくれた点が安心できた。
※投稿内容の要旨。引用元:Googleマップ「アート建工 米子店」への口コミ(約4か月前・2026年5月ごろ)

2022年の「営業にやる気を感じない」という投稿と、正反対の評価です。

これは矛盾ではありません。担当者によって体験が変わる、ということを示しています。

拠点ごとの評価差は1.1ポイントある

ここは、他のサイトが誰も書いていない部分です。

アート建工グループの各拠点について、Googleマップの評価を並べてみました。

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拠点評価(件数)どんな窓口か
本社(米子市両三柳)3.9(15件)会社の登記上の所在地。古い投稿が多く残っている
アート建工 米子店4.7(25件)注文住宅の主力店舗。2026年の投稿が中心
アート建工 鳥取住宅展示場4.7(27件)鳥取エリアの展示場
マチリブ鳥取店4.9(17件)分譲建売ブランドの店舗
トコスホーム 米子店3.8(14件)価格を抑えた注文住宅ブランド

本社とトコスホーム米子店が3.8〜3.9、注文住宅の店舗と分譲の店舗が4.7〜4.9。同じ会社で、最大1.1ポイントの差があります。

ここには2つの理由が考えられます。

一つは投稿の時期です。本社に付いている低評価は4〜5年前のものが中心で、店舗に付いている高評価は直近1年のものが中心でした。

もう一つはブランドの違いです。価格帯が違えば標準仕様も期待値も変わります。

廣岡 旬(宅建士)

会社名で検索して出てくる星の数は、たいてい登記上の本社に付いたものです。実際に自分が通うことになる店舗の評価は、別に調べてください。数字がまるで違うことがあります。

現役業界人が見た実力(断熱等級6・C値0.67・坪単価)

断熱性能は山陰の地域ビルダーとしては上位クラスです。ただしネットに出回っている坪単価45〜55万円という数字は、現在の実態と合っていません。

順に説明します。

断熱等級6は、ZEH水準よりさらに一つ上

公式サイトの「山陰スタンダード」というページに、3つの数字が出ています。

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項目アート建工ひとことで言うと
断熱等級等級62025年から義務になった等級4の2段階上。国が推奨するZEH水準(等級5)よりさらに上
C値全棟平均0.67家じゅうのすき間の合計。実際に測らないと出ない数字で、1.0を切れば高気密と呼ばれる世界
耐震等級等級3法律の1.5倍。消防署や警察署と同じ水準
長期優良住宅対応国の認定制度。住宅ローン減税や地震保険で優遇が受けられる
工法木造軸組柱と梁で支える、日本で最も一般的な木造の作り方
共同研究東京大学 前真之准教授と共同研究住宅の省エネ・温熱環境の研究者。SUUMO掲載の会社紹介に記載あり

「断熱等級6」は、住んでいる地域によって必要な数字が変わります。ここは見落とされやすいので、丁寧に書きます。

国は全国を8つの地域に区分していて、寒い地域ほど厳しい数字が求められます。

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地域区分山陰でのおおよその該当断熱等級6に必要なUA値等級5(ZEH水準)
4地域鳥取県・島根県の山間部の一部0.34以下0.60以下
5地域内陸部の一部0.46以下0.60以下
6地域米子・鳥取・松江・出雲などの平野部0.46以下0.60以下

「UA値」というのは、家全体からどれだけ熱が逃げるかを表す数字です。小さいほど熱が逃げず、暖かい家になります。

ここで正直に書きます。アート建工の具体的なUA値は、公式サイトから確認できませんでした。

公表されているのは「断熱等級6」という等級だけです。

市町村によって地域区分が変わる以上、自分の建設地で等級6になるかどうかは、図面が出てから確認するしかありません。ここは後半の確認項目に入れています。

もう一つ、C値0.67について。

これは「全棟平均」と書かれている点に価値があります。1棟だけ測った自慢の数字ではなく、建てた家すべてを測った平均という意味だからです。

気密性能を最優先にしている会社は0.3台を出してきます。0.67はそこには届きませんが、山陰の地域ビルダーで全棟測定して公表している会社自体が少数派です。

倉田 結城(一級建築士)

C値は設計では出せません。完成した家に機械をつないで、すき間から漏れる空気の量を実測して初めて分かります。「全棟平均」を出せるということは、全棟で測っているということです。

坪単価45〜55万円という情報は、もう古い

ネット上でアート建工の坪単価を調べると、ほとんどのサイトが「45万〜55万円」と書いています。

この数字は、現在の実例と合いません。

公式サイトは坪単価を公表していないので、SUUMOに掲載されている建築実例8件のうち、本体価格が公開されている7件から計算し直しました。

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延床面積本体価格坪単価家族構成
31.8坪2,000万〜2,499万円約62.9〜78.6万円夫婦+子ども1人(平屋)
32.0坪2,500万〜2,999万円約78.2〜93.8万円夫婦(2階建て)
32.7坪2,000万〜2,499万円約61.1〜76.3万円夫婦+子ども2人(2階建て)
33.1坪2,000万〜2,499万円約60.4〜75.5万円
41.0坪2,500万〜2,999万円約60.9〜73.1万円夫婦+子ども1人+犬(平屋)
41.5坪2,000万〜2,499万円約48.1〜60.1万円夫婦+子ども3人(平屋)
60.3坪4,000万円〜約66.4万円〜夫婦+子ども3人(2階建て)

30坪台に絞ると、坪単価は約60万〜94万円。本体価格は2,000万円台が中心です。

40坪台まで広げると、坪約48万〜73万円まで下がります。面積が大きいほど坪単価は下がるので、これは自然な動きです。

SUUMOの会社ページに表示されている参考価格は「50.1万円〜63.1万円/坪」、会社紹介文には「坪単価55万円から80万円を目安」とあります。同じページの中でも数字が揃っていません。

坪単価を公表していない会社を、ネットの数字で判断するのは無理があるということです。

総額は本体価格の1.2〜1.3倍で見ておく

ここが、2026年3月の口コミにつながる話です。

本体価格に入っていないのは、地盤の補強工事、給排水の引き込み、外構、登記費用、住宅ローンの手数料などです。

本体2,400万円なら、総額はおおむね2,900万〜3,100万円と見ておいてください。

これはアート建工が高いという話ではなく、住宅業界全体でそうなります。

土地から探す場合は、さらに土地の表示価格に仲介手数料と登記費用でおよそ5%が乗ります。2,000万円の土地なら、実際には2,100万円かかると考えてください。

廣岡 旬(宅建士)

「本体価格が安い」という理由で会社を選ぶと、まず失敗します。比べるときは、引っ越しできる状態までの総額で並べてください。この一言を言うだけで、見積もりの中身が変わります。

保証とアフターは、山陰の地域ビルダーとしては手厚い部類

構造の初期保証20年、最長60年、設備の延長保証10年。この内容は地域ビルダーとしては上位です。ただし「60年」の読み方には注意が必要です。

まず、公表されている内容を整理します。

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項目内容ひとことで言うと
構造の初期保証20年法律で決まっている10年に、自社で10年上乗せしている
構造の延長保証最長60年20年以降は10年ごとの有償更新。定期点検と維持管理検査の実施が条件
定期点検6か月・1年・2年・5年・15年サッシ建具、各部屋、仕上げなどを目視で点検
維持管理検査10年目目視に加えて赤外線サーモグラフィなどの非破壊機器で調査
短期保証2年間無償3年目以降は有償になる
設備機器の延長保証10年給湯器・キッチンなど8点。回数制限なし・上限金額なしの無償修理
地盤保証20年限度額は通期5,000万円。2021年8月以降に地盤調査をした物件が対象
コールセンター24時間365日水まわりのトラブルは入居後10年間、出張費と30分以内の作業代が無料

特筆すべきは、設備機器の延長保証です。

給湯器やキッチンなど8点について、10年間の無償修理を回数制限なし・上限金額なしで付けています。給湯器は10年前後で壊れることが多く、交換すると20万円前後かかる設備です。ここが10年カバーされるのは実利があります。

もう一つ、10年目の維持管理検査で赤外線サーモグラフィを使うと明記している点も評価できます。目視だけでは分からない雨漏りや断熱の欠損を、壊さずに見つけるための機器です。

「最長60年保証」は、会社が60年残るかの話でもある

ここは冷静に見ておきたい点です。

60年保証というのは、60年後にその会社が存在していて初めて成立する約束です。

アート建工は1985年創業なので、2026年時点で創業から41年です。資本金4,900万円、従業員170名、拠点は鳥取・島根の6か所。

そして建設業許可は「国土交通大臣許可(特-5)第28768号」です。

この「特」というのは特定建設業といって、資本金2,000万円以上、自己資本4,000万円以上といった財産の条件を満たさないと維持できない許可です。5年ごとに更新審査があります。

つまり、行政の財務審査を通り続けているということです。これは公的な記録に基づく、数少ない客観的な健全性の材料になります。

加えて、2025年に倉吉店、2026年4月には米子市に性能を体感できるショールームを開設しています。縮小している会社の動きではありません。

もう一点。アート建工は、同じ代表が率いるサインインホールディングというグループの中に位置づけられています。住宅のほかに不動産、非住宅、福祉と事業が分散していることは、住宅市場が冷え込んだときの耐性につながります。

廣岡 旬(宅建士)

60年保証の会社を見るときは、保証書より先に会社の体力を見てください。行政が5年ごとに審査している建設業許可は、誰でも無料で確認できる一番確かな材料です。

アート建工と契約する前に必ず確認したい5つのこと

1社決め打ちで家づくりを始めるのは後悔するパターンです。

必ずまずは他社と情報を比較することがおすすめです。

それでもアート建工が一番の有力候補となった場合は、ショールームに行って実際にいろいろ聞いておくのがおすすめです。聞いておけば、口コミにある不満のほとんどは事前に回避できます。

理由は、残っている指摘が「聞けば分かること」に集中しているからです。

① 引っ越しできる状態までの総額を、1枚の紙で出してもらう

2026年3月の「本体を安く見せて付帯で帳尻」という指摘への対策です。

「屋外給排水、付帯工事、設計料、地盤改良の見込み、外構、登記、ローン手数料まで入れた総額を出してください」と頼んでください。

地盤改良は調査前だと金額が出ません。その場合は「この周辺で過去にどれくらいの改良費がかかっているか」を聞けば、目安は出てきます。

② この土地・この間取りで断熱等級6になるか、計算書で確認する

公式が出しているのは「断熱等級6」という等級だけで、UA値の数字はありません。

そして必要なUA値は、建設地の地域区分で変わります。山間部の4地域なら0.34以下、平野部の6地域なら0.46以下です。

「この土地の地域区分はいくつですか。この間取りでのUA値と断熱等級を、計算書で見せてください」と聞いてください。窓を大きくすれば必ず数字は悪くなります。

③ 制震装置が標準かオプションか、金額とセットで聞く

公式サイトは「耐震+制震」を掲げていますが、制震が標準仕様なのかどうかは確認できませんでした。

口コミには「オプションで付ければ」という書き方が出てきます。

「制震装置は標準ですか、オプションですか。オプションならいくらですか」。これは10秒で答えが出る質問です。

④ 引き渡し後の連絡先が、営業担当なのか専用窓口なのかを確認する

アフターへの不満が出ていた点への対策です。

公式サイトには24時間365日のコールセンターがあると書かれています。ここを実際に確認してください。

「引き渡し後に不具合が出たら、どこに連絡すればいいですか。営業担当ですか、専用窓口ですか」と聞いて、番号を控えておくだけで十分です。

⑤ 着工前の近隣挨拶を誰が回るか、作業は何時からかを聞く

2026年6月ごろの、近隣住民からの投稿への対策です。

「着工前の挨拶は誰がどの範囲まで回りますか。作業は何時から始まりますか。職人さんの駐車場はどこに確保しますか」。

この3つを聞いておくだけで、入居後のご近所付き合いがまるで変わります。答えられない会社なら、それ自体が情報です。

倉田 結城(一級建築士)

もう一つ、お金で解決できる手段もあります。第三者のホームインスペクション(住宅診断)は5〜10万円程度です。基礎と上棟時の2回入れておけば、施工の不安はかなり減ります。

アート建工に関するよくある質問

Q. アート建工は本当に「やばい」のですか?

A. 現在の注文住宅について「やばい」と判断できる材料は見つかりませんでした。

最も強い言葉で書かれた告発は、社名が変わる2002年より前に建てられた家に対するものです。直近の注文住宅の店舗は、Googleマップの評価で4.7を維持しています。

Q. 欠陥住宅を建てられたという話はありますか?

A. 2005年に注文住宅事業へ本格参入して以降に建てられた家について、建物の骨組みに関わる実害の報告は確認できませんでした。

報告されているのは、前身の会社が建てた家に対する告発が1件、工事中の現場を近所から見た印象が1件です。いずれも会社側の説明は残っていません。

Q. 坪単価はいくらですか?

A. 公式サイトでの公表はありません。SUUMO掲載の建築実例のうち、価格が公開されている7件から計算すると、30坪台で坪約60万〜94万円、40坪台で坪約48万〜73万円でした。

ネットで見かける「45万〜55万円」という数字は、現在の実例と合っていません。また、これは本体価格なので、総額は1.2〜1.3倍で見ておいてください。

Q. トコスホームやマチリブとは何が違うのですか?

A. どれもアート建工が展開しているブランドですが、価格帯と商品の作り方が違います。

アート建工が注文住宅、トコスホームが価格を抑えた注文住宅、マチリブが分譲建売です。ネットの口コミはこれらが混ざって出てくるので、「どのブランドの話か」を確認して読んでください。

Q. 保証は本当に60年続きますか?

A. 無条件ではありません。初期保証は20年で、それ以降は10年ごとの有償更新になります。

定期点検と維持管理検査を受けること、必要な有償メンテナンスを実施することが条件です。20年目・30年目にいくらかかるのか、目安を聞いておいてください。

Q. 対応エリアはどこまでですか?

A. 鳥取県と島根県です。米子・鳥取・倉吉・出雲・松江の各エリアに拠点があります。

鳥取に4拠点、島根に2拠点の6拠点体制です。詳細なエリアは問い合わせが必要とされています。

廣岡 旬(宅建士)

まずは他社含めて資料請求をすることから始めてください。

まとめ:昔の会社と今の会社を分けて読めば、判断できます

最後に、住宅業界25年の現役業界人としての結論を書きます。

アート建工を「やばい」という一件の口コミで候補から外すのは、もったいない判断です。

その口コミは、社名が変わる前、年20棟前後の工務店だった時代に建てられた家への評価でした。今のアート建工は断熱等級6を標準にし、C値を全棟平均で公表し、年246棟を建てる会社です。

41年間の累計2,077棟のうち、約6割が直近6年に集中しています。同じ看板でも、中身は別の会社と言っていいほど変わっています。

一方で、今も残っている論点ははっきりしています。

  • 本体価格と総額のギャップ。2026年3月の投稿で今も指摘されている
  • 引き渡し後のアフターの初動。棟数の急増に体制が追いついているかは要確認
  • 工事現場の近隣対応。2026年6月ごろの投稿が残っている
  • UA値と制震装置の扱いが公表されていない。図面と見積もりで確認するしかない

この4つは、建物の性能の問題ではなく、確認すれば分かることです。

廣岡 旬(宅建士)

9年で社員を12倍にした会社です。仕組みが人に追いつくまでの数年は、担当者によって体験に差が出ます。それを分かったうえで、自分の担当者が信用できるかを見極めに行く。この会社との付き合い方は、それが正解だと思っています。

そして最後に、これだけはお伝えしておきます。

家づくりで最も後悔しやすいのは、比較材料を持たないまま1社に絞ってしまうことです。

アート建工の性能と価格が妥当かどうかは、鳥取・島根の他社と並べてみないと判断できません。同じ条件で複数社から間取りと資金計画をまとめて取り寄せて、横に並べてください。

無料で、申し込みは3分ほどで終わります。ここで比べておくかどうかで、数百万円の差がつくこともあります。

【結論】家づくりで後悔しないための「最短ルート」
この記事を読んだあなたなら、もう知識は十分です。あとは「行動」するだけ。 ですが、闇雲に動くとカモにされます。私が20年の経験から導き出した「フェーズ別の最適解(4つのサービス)」を使って、効率よくホワイトな会社を見つけてください。

この記事を書いている人

廣岡 旬(Hirooka Jun)
宅地建物取引士

  • 🏠 注文住宅・マンション購入の実体験あり
  • 💼 住宅業界25年|設計事務所・住宅会社を経験
  • 🐦 Xフォロワー1,000人超

倉田 結城(Kurata Yuuki)
一級建築士

  • 📐 合格率10%の難関国家資格 
  • 🏗️ 住宅会社で設計・商品開発に従事
  • 📋 LAMHNEで住宅コンテンツの設計監修を担当
毎日、一次情報にフォーカスした情報発信をしています。シェアしてもらえると嬉しいです!
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